渋谷LE DECOに坂本美蘭さんの公演を観に行きました。美蘭さんとは昨年来いろいろなところで客どうしなどで顔を合わせてきました。背が高く目を挽く美人、トランスジェンダーとして生きている美蘭さんご自身にもとても興味があるけれど、作曲家で詞章(詩唱ではないのだそう)などされていると伺って、そのパフォーマンスはぜひとも観てみなくてはと、ずっと思っていました。
受付では演目の詞などがすべて載っている冊子が配布され、公演では坂本美蘭さんがピアノの弾き語りのスタイルでご自身のトランスジェンダーとしての生をモチーフにした詞を謡い、それに共演者が次々とからんでいきます。共演は加藤"チャーリー"千晴さん(violin)、相良ゆみさん(dance)、万城目純さん(映像)、尾花藍子さん(dance)。
美蘭さんは、弾き語りといっても、不定形で無調の鋭い音に、古典調の詞を独特の節回しで載せていくという、他のどこでも聴いたことがないような独特のパフォーマンス。途中で、大正琴を音響的に使ったり、ラジカセからノイズを流したりもしていました。
美蘭さんの音にチャーリーさんのヴァイオリンが絡むと、60年代ごろの映画音楽で使われていた現代音楽のようでもあり、緊張感があって良かったです。相良さんの踊りも、今回は主役ではないけれど、今まで何度となく観てきたのと違うような動きもあったし、時間配分がうまいのがさすがでした。尾花さんも、ちょっと他にはいないような独特のダンスとも言えるようなパフォーマンスをする人でおもしろい。