2011年6月5日日曜日

「無言館」所蔵作品による 戦没画学生「祈りの絵」展

「無言館」所蔵作品による 戦没画学生「祈りの絵」展を観に横浜赤レンガ倉庫1号館へ。長野県上田市の信濃デッサン館、無言館ともぜひ行きたいと思い続けていたのだけれど、そう思い始めてから結局何年も行っていないので、この機会に行かなくてはいけないと自分に課して行ってきました。

赤レンガ倉庫の3階のフロア全体を使用、といっても入口、出口のスペースもかなりたっぷりとってあるので、展示面積自体はそんなに巨大ではありません。とはいえ、戦地からのハガキや学生時代の資料なども展示されて、けっこうなヴォリュームです。

作品脇には卒業校や戦没地(あるいは病死)などのキャプションが添えられていました。どれも直接戦争を描いたり説明したりはしていないけれども、皆、残していく家族に、そして絵に未練を残して出征していったことが伺われて、いたたまれない気持ちにさせられます。穏やかで素朴な絵も多いけれど、深刻な雰囲気だったり(ある意味若さとも言えるような…)、いろいろと手法を凝らしていたり、幻想的な絵もあり、画学生といえ玄人はだしの技術で描かれたものが多いという印象を受けました。画壇で活躍し始めていた画家の作品も含まれています。とても見ごたえがありました。